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TOEFLの単語対策:新形式の出題から考える

TOEFL iBTの単語対策を、ETS Japanの公式情報をもとに紹介します。4技能のタスクの中で学術的な語彙と日常の語彙がどう問われるかと、2026年のスコア表示の変更、語彙を増やす進め方をまとめました。

The four TOEFL iBT sections — リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング — in a panel over a desk photo, captioned タスクの中で問われる語彙 (vocabulary as it is tested inside the tasks)

結論から言うと、TOEFL iBTの語彙は、単語リストを覚えたかどうかではなく、タスクの中で英語を使えるかどうかという形で問われます。TOEFLテスト日本事務局(ETS Japan)の公式サイトの試験構成の説明にも覚えるべき単語の一覧は含まれておらず、同サイトは、TOEFL iBTが測るのは英語を「知っているか」ではなく「使えるか」だとしており、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能を通じて測定すると説明しています。単語だけを単独で暗記するより、文章の中で語彙に繰り返し出会うほうが、実際のテスト形式に近い準備になります。

要点

TOEFL iBTが測る4技能とテストの構成

TOEFLテスト日本事務局(ETS Japan)の公式サイトによると、TOEFL iBTはリーディング(30分・50問)、リスニング(29分・47問)、ライティング(23分・12問)、スピーキング(8分・11問)の4セクションで構成され、所要時間は合計で約2時間です。リーディングでは、約200語のアカデミックな文章を読んで解答する設問があり、内容は歴史、美術・音楽、ビジネス・経済学、生命科学、物理科学、社会科学など幅広い分野に及ぶと説明されています。リスニングでは、食事や買い物、旅行といった日常的な会話に加えて、スケジュールや規則などを伝えるアカデミック関連のアナウンス、歴史や生命科学、ビジネス・経済学などを扱う講義が題材になります。ライティングには、教授が与えるテーマについて2人の学生の意見を読み、自分の意見を100語以上で書く設問があり、スピーキングには自分の経験や意見について各質問45秒以内で答える設問があります。語彙に直接かかわるのは、リーディングの「Complete the Words」です。約70〜100語のアカデミックな文章の中で、削除された文字を補って単語を完成させる問題で、単語を知っているだけでなく、文脈の中で正しい形で書けるかが問われます。ライティングの「Build a Sentence」も、語や句を並べ替えて文を作る問題です。同じ公式サイトによれば、リーディングには世界各地の日常生活でよく見かける15〜150語程度の文章を読む設問もあり、リスニングにも食事や社交、教育、娯楽、買い物、通信、旅行といった話題の日常会話が含まれます。学術的な語彙だけでなく、こうした日常的な場面の語彙も合わせて問われる点は見落としやすいところです。

セクション時間問題数
リーディング30分50問
リスニング29分47問
ライティング23分12問
スピーキング8分11問

出典:TOEFLテスト日本事務局「特徴・構成・受験料」

2026年からスコアの見方が変わった

2026年1月21日から、TOEFL iBTのスコアの表示方法が変わりました。ETSの公式ページによると、これまでは各セクション0〜30点、合計0〜120点で表示されていましたが、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)との対応をわかりやすくするために、総合スコアとセクションスコアを1〜6(0.5刻み)で表すスケールが導入されました。総合スコアは4つのセクションスコアの平均を最も近い0.5刻みに丸めたもので、同ページの例では、平均が5.125なら5、5.25なら5.5になります。移行を円滑にするため、2028年1月までの2年間は、スコアレポートにCEFRレベル、1〜6の総合・セクションスコア、0〜120の総合スコアに相当する値の3つが示されます。ETSの別ページでは、TOEFLプログラムやETS自身が合格・不合格の基準を設けているわけではなく、出願先の大学や勤務先がそれぞれの基準を決めるとも説明されています。単語を何個覚えたかという数字よりも、4技能を通じて英語を使えるかどうかがスコアに反映される仕組みです。

The TOEFL iBT score scale change effective 2026年1月21日: the former 0〜120 scale next to the new 1〜6 scale (0.5 increments, CEFR-aligned), with a note that ETS still reports the 0〜120 reference value during the transition

単語の目安になる資料

ETS Japanの試験構成の説明には、覚えるべき単語の一覧は示されていません。目安にできる資料としては、学術的な英語で広く使われる語彙をまとめた、ニュージーランドのヴィクトリア大学ウェリントン校のAveril Coxhead氏が2000年に発表したAcademic Word List(AWL)があります。同大学の公式ページによると、AWLは570の語族(word families)で構成され、英語で最もよく使われる2000語に含まれる語は除かれています。大学レベルの学習に備える教師や、独学の学習者が使うことを想定して作られたもので、もとになった学術コーパスは、人文・商学・法学・理学の4部門をそれぞれ7つの分野に分けた、計28分野の文献で構成されています。TOEFLのために作られたリストではなく、ETSとの関係も同ページには記載がありませんが、リーディングで扱われる歴史や経済学、生命科学といった分野と重なりが大きく、どの語彙から手をつけるかの目安として参考にできます。

語彙を増やす具体的な進め方

優先順位をつけるなら、まず学術的な文章に共通して出てくる基本的な語彙を固め、そのあとで自分の関心のある分野に関連する語彙を足していく順番が現実的です。単語帳を作って一度に大量に暗記しようとすると、テスト直前に詰め込んでも数日で忘れてしまいがちです。同じ単語に日をまたいで何度も出会う「間隔を空けた復習」のほうが記憶に残りやすいことは、心理学の研究でも繰り返し確認されており、2006年にPsychological Bulletin誌に掲載されたセペダらのメタ分析では、間隔を空けて学習した場合と、間を空けずに続けて学習した場合を比べた271件の比較のうち、間隔を空けても成績が上がらなかったのはわずか12件でした。学術的な語彙は抽象的で覚えにくいものが多いからこそ、机に向かう時間を長くするより、通勤時間や家事の合間といった日常のさまざまな場面で短く繰り返し目にするほうが向いています。

Three steps for building TOEFL vocabulary: 頻度の高い基本語彙から (frequent basic words first), 自分の関心分野の語彙へ (then words in one's own field), 日をまたいで繰り返す (repeated across days rather than crammed at once)

Watch Your Languageでの活用

Watch Your Languageのテーマ別パックには、Academic Phrases、Academic Writing、Academic Disciplinesなど、学術的な語彙を扱うパックが含まれています。パックから選んだ単語はApple Watchの文字盤とiPhoneのロック画面・ホーム画面のウィジェットに自動で表示され、スマート・レペティションの仕組みが、覚えるまで同じ単語を繰り返し見せてくれます。机に向かって単語帳をめくる時間を新たに作らなくても、画面を見るたびに学術語彙に触れる回数を増やせます。

湖のほとりで腕につけたApple Watch。文字盤に英語の単語と日本語訳が表示されている

Watch Your Languageは、Academic Phrasesなど学術的なテーマのパックを含む語彙学習アプリです。Apple Watchの文字盤とiPhoneのロック画面・ホーム画面のウィジェットに単語を自動表示し、スマート・レペティションの仕組みで、覚えるまで同じ単語に繰り返し出会えるようにしています。

まとめ

TOEFL iBTでは、単語リストを覚えたかどうかではなく、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能のタスクを通じて、歴史や経済学、生命科学といった幅広い分野の英語を使う力が測られます。2026年1月21日からは、スコアが1〜6のスケールで表示されるようになりました(移行期間中は0〜120の相当値も併記)。単語は、大学レベルの学術文献をもとにしたAcademic Word Listのような資料を目安にしながら、間隔を空けて繰り返し触れることで定着しやすくなります。英検準1級の単語対策は「英検準1級の単語の覚え方」、覚えられない原因への対策は「英単語が覚えられない原因と対策」、レベル別の語彙量の目安は「英語の語彙力の目安:レベル別の語数」でも詳しく紹介しています。

机に向かう時間を増やさなくても、 語彙は日常の中で増やせる

Watch Your LanguageiPhoneとApple Watchの単語ウィジェット

Watch Your Languageのテーマ別パックには、Academic Phrasesなど学術的な語彙のパックが含まれており、Apple Watchの文字盤やiPhoneのロック画面・ホーム画面のウィジェットに単語が自動で表示されます。

スマート・レペティションの仕組みが、覚えるまで同じ単語を繰り返し表示するため、机に向かう時間を増やさなくても、学術的な語彙に触れる回数を積み重ねられます。

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