結論から言うと、HSKの単語を覚えるには、まず自分が目指す級に必要な単語数を把握すること、声調とピンインを漢字と一緒に覚えること、単語を級ごとに区切って増やしていくこと、そして机に向かう時間を新しく作らず日常の中で単語に触れる仕組みを作ることが軸になります。「hsk 単語」で検索すると、単語帳アプリや教材の紹介記事は数多く見つかりますが、級ごとの単語数の目安を公式サイトの記載にもとづいて整理した記事は多くありません。ここではHSK日本実施委員会の公式サイトの記載をもとに、単語の覚え方を級ごとにまとめます。教材を何冊も並行させるより、目指す級の範囲をひとまとまりとしてとらえるほうが、単語を覚える作業そのものはシンプルになります。
要点
- 語彙量の目安は1級の150語程度から6級の5,000語以上まで、級が上がるごとにおよそ2倍ずつ増えます。
- 妈・麻・马・骂のように声調で意味が変わるため、単語は漢字・ピンイン・声調をあわせて覚えます。
- 複数の級の単語集を同時に開かず、目指す級の範囲を固めてから次の級に進みます。
HSK各級に必要な単語数を知る
HSKは初級レベルの1級から上級レベルの6級までの6段階に分かれており、HSK日本実施委員会の公式サイトによると、リスニング(聴力)、リーディング(読解)、ライティング(作文)の3セクションで構成されています。1級と2級はリスニングとリーディングのみのマークシート方式で、3級以上から記述式の作文が加わります。同サイトの各級の紹介ページには、筆記試験の1級から6級まで、それぞれの「語彙量の目安」が次のように示されています(2026年9月に確認)。
| 級 | 語彙量の目安(公式サイトの記載) |
|---|---|
| 1級 | 150語程度(基礎常用中国語) |
| 2級 | 300語程度(基礎常用中国語) |
| 3級 | 600語程度(基礎常用中国語) |
| 4級 | 1,200語程度(常用中国語単語) |
| 5級 | 2,500語程度(常用中国語単語) |
| 6級 | 5,000語以上(常用中国語単語) |
1級から3級までは、この語彙に見合った文法知識もあわせて目安とされています。級が上がるごとに、単語数の目安はおよそ2倍ずつ増えていきます。なお、同サイトのトップページには、6級より上のHSK7-9級の試験も東京会場のみで開催されると案内されていますが、各級の紹介ページに載っている語彙量の目安は1級から6級までです。目指す級を決めないまま単語を増やそうとすると、どこまで覚えれば十分なのかがつかみにくくなるため、まず目安となる級を一つ決めておくことが最初の一歩になります。
級を意識して単語を分けて覚える
単語をやみくもに増やすより、いま目指している級に必要とされる単語数をひとまとまりの範囲としてとらえ、その範囲を先に固めてから次の級に進むほうが、どこまで覚えたかを把握しやすくなります。級ごとの単語は、生活・学習・仕事などの基本的な場面で使われる語彙から、上の級に進むにつれて新聞や雑誌で使われるような語彙へと広がっていきます。今の自分の級の単語を優先し、先の級の単語にまで手を広げすぎないようにしましょう。複数の級の単語集を同時に開いてしまうと、どこまでが今の自分の範囲なのかが曖昧になり、結局どの単語も中途半端なままになりがちです。範囲を決めてから単語に取りかかるという順番を守るだけでも、学習の進み方は変わってきます。
声調とピンインを漢字と一緒に覚える
中国語の単語は、同じローマ字のピンインでも声調が違うと意味がまったく異なります。よく知られる例が妈(mā、お母さん)、麻(má、麻)、马(mǎ、馬)、骂(mà、罵る)で、いずれもピンインは「ma」の音ですが、声調によってまったく別の意味になります。日本語の漢字と形が近い単語も多く、意味は推測しやすい一方で、読み方はまったく異なります。単語を覚えるときにピンインだけを見て済ませてしまうと、声調を聞き分けたり発音したりする力が育ちにくいため、漢字とピンイン、声調をあわせて覚える習慣をつけておくことが、あとになって発音で困らないための備えになります。声調記号を最初は面倒に感じても、単語を覚える段階から一緒に目にしておけば、あとから聞き取りや会話の練習をするときに困りにくくなります。
単語カードより「毎日目にする」仕組みを使う
級ごとに範囲を決め、声調も意識して覚えるとなると、覚えるべき単語の数はどうしても多くなります。単語カードを自分でまとめて作って一気に覚えようとすると、復習の量がすぐに積み上がってしまいます。Watch Your Languageの語彙パックは中国語にも対応しており、テーマとCEFRのレベルで分かれた単語を、スマート・レペティションの仕組みで覚えるまで繰り返し表示します。設定をオンにすると、単語の下に訳の代わりにピンイン(声調記号なし)が表示されるので、漢字を見て読みを思い出す練習にも使えます。声調は表示されないため、教材の音声や声調記号つきのピンインで確かめてください。単語帳のように復習の量を自分で管理する必要がなく、覚えていない単語ほど繰り返し表示される仕組みなので、級ごとに範囲を区切っていても、まとめて復習する作業が積み上がりにくくなります。
忘れないための更新頻度を決める
単語は一度見ただけでは忘れやすく、間隔を空けて何度も出会うことが大切です(復習のタイミングについては「忘却曲線と英単語の復習タイミング」で詳しく紹介しています)。Watch Your Languageでは、iPhoneのロック画面・ホーム画面のウィジェットとApple Watchの文字盤に表示する単語の更新頻度を、1分から1週間の間で自分で選べます。新しい級の単語に取りかかったばかりの時期は間隔を短めにして多くの単語に触れ、範囲をひととおり覚えたら長めにする、という使い分けができます。どの単語をいつ出すかは、スマート・レペティションが覚え具合に合わせて調整します。
日常の中で単語に触れる
ここまでの覚え方は、机に向かう時間を新しく作らなくても実践できます。通勤中に時計を見る瞬間や、ロック画面をちらりと見る瞬間など、もともと画面を見ている行動に単語が重なるだけなので、新しい学習の時間割を組む必要はありません。もちろん、文法や作文、リスニングの練習は別の教材で補う必要がありますが、級ごとに決めた単語の範囲を忘れないようにする部分は、こうした毎日の積み重ねに任せられます。試験日から逆算してまとめて詰め込むより、目指す級を決めたその日から、単語だけでも日常の中で少しずつ増やし始めておくほうが、直前にあわてずに済みます。中国語の単語アプリ全般の比較は中国語の単語アプリ比較【2026年】で、独学の進め方は中国語の独学の始め方で紹介しています。
Watch Your Languageは、中国語の単語をテーマとCEFRレベル別のパックで提供し、iPhoneのロック画面・ホーム画面のウィジェットとApple Watchの文字盤に自動で表示します。訳の代わりにピンイン(声調記号なし)を単語の下に表示する設定もあり、スマート・レペティションのアルゴリズムが覚えるまで単語を繰り返し表示するため、級ごとの単語の範囲を教材で決めながら、忘れないようにする部分だけをこの仕組みに任せることができます。