ホーム › ブログ › 語彙

英単語を語源から覚える方法

英単語を一つずつ覚えるより、語源となる接頭辞や語根を知ると、意味のつながりから覚えやすくなります。Etymonlineで確認した代表例を紹介します。

A library bookshelf with the article's opening example drawn into the empty band below: tele- (遠く, far) plus phone (音, sound) make telephone

英単語を一つずつ丸暗記するより、語源となる接頭辞や語根の意味を知っておくと、初めて見る単語でもおおよその意味を推測できるようになります。tele-は「遠く」、auto-は「自分自身」というように、語源をたどれば単語同士のつながりが見えてくるからです。一つの部品を覚えると、その部品を含むほかの単語にも見当がつくようになります。ここでは、Online Etymology Dictionary(Etymonline)で一つずつ確認した代表的な接頭辞と、その意味の広がり方を紹介します。

要点

語源で覚えるとはどういうことか

英単語の多くは、ギリシャ語やラテン語に由来する部品の組み合わせでできています。たとえばtelephoneは、Etymonlineによれば、フランス語のtéléphoneを経て入ってきた単語で、ギリシャ語で「遠く」を意味するtele-と、「音、声」を意味するギリシャ語phōnēから成り立っています。単語をまるごと一つの記号として覚えるのではなく、こうした部品に分けて覚えると、同じ部品を持つ別の単語にも意味の見当がつくようになります。televisionはtele-とvision(見ること)の組み合わせで、telegraphはEtymonlineで「遠くで書くもの」と説明されています。

単語帳を眺めているだけでは、telephoneとtelevisionが同じtele-を含むことに気づきにくいものです。接頭辞に目を向ける習慣があれば、初めて見る単語にも手がかりが一つ増えます。語源は厳密な言語学の知識として学ぶものではなく、覚えやすくするための整理の仕方だと考えてください。学校では単語を一語ずつ日本語訳とセットで覚えることが多かったかもしれませんが、社会人になって語彙を広げ直すときには、部品同士のつながりを手がかりにする覚え方が、丸暗記とは違う入り口になります。

tele- (遠く) as one lit block in telephone (tele- + phone, 音、声) and television (tele- + vision, 見ること)

覚えておきたい代表的な接頭辞

以下は、Etymonlineで一つずつ確認した代表的な接頭辞です。由来をたどると、ギリシャ語から来たもの、ラテン語から来たもの、そして古英語の時代から英語にあるものに分かれます。

接頭辞 由来 元の意味 代表的な単語
tele- ギリシャ語 遠く telephone, television
auto- ギリシャ語 自分自身 automatic, autobiography
bio- ギリシャ語 生命、人生 biology, autobiography
trans- ラテン語 越えて、向こう側へ transform, transport
re- ラテン語 戻って、再び review, return
un- 古英語 〜ない(否定) unhappy, unable
bene- ラテン語 良く benefit, benefactor
mal- ラテン語(フランス語経由) 悪く malfunction, malefactor

un-は否定を表す英語本来の接頭辞で、happy(幸せな)からunhappy(不幸な)を作るように使われます。Etymonlineによれば、古英語の時点ですでに1,000を超える複合語を作っていた、英語でもっとも生産的な接頭辞です。re-はラテン語に由来し、「元の場所へ戻って」と「再び、改めて」の両方の意味を持ちます。bene-は「良く」、mal-は「悪く」を意味する対になる接頭辞で、Etymonlineもbene-をmal-の反対として扱っています。同じfacere(する)に両方をつけると、benefactor(良いことをする人、つまり恩人や後援者)と、malefactor(悪事を働く人)という反対の意味の単語になります。

ギリシャ語由来のauto-とbio-を使った単語は、比較的新しいものも少なくありません。Etymonlineによれば、automatic(自動の)は1812年、biology(生物学)は1819年から英語で使われている単語で、bio-は特に科学用語を作るときに使われる部品だとされています。autobiography(自伝)は1797年の単語で、auto-とbiography(伝記)を組み合わせたものです。

A smiling and a frowning face over bene- (良く) + facere (する) = benefactor (恩人) and mal- (悪く) + facere = malefactor (悪事を働く人)

語源から単語の意味を推測する練習

新しく出会った単語に、知っている接頭辞や語根が含まれていないか探す習慣をつけると、辞書を引く前におおよその意味を推測できるようになります。たとえばtransformは、trans-「越えて」とform「形」に分けられます。ラテン語のtransformareは「形を変える」という意味で、Etymonlineはtrans-が「すっかり変わる」ことを表す例としてtransformを挙げています。autobiographyは、auto-「自分自身」、bio-「人生」、-graphy「書くこと」の三つに分けると、「自分の人生を書いたもの」という意味が見えてきます。同じtrans-を含むtransportは、trans-とラテン語のportare(運ぶ)の組み合わせで、「向こうへ運ぶ」、つまり輸送を意味します。

もちろん、すべての単語がきれいに分解できるわけではありません。それでも、知らない単語に出会うたびに部品を探す視点を持っておくと、単語帳を眺める時間が、意味を推理する時間に変わります。推測した意味は、そのあと辞書や例文で確かめるところまでを一続きの作業にしておくと、間違った覚え方を防げます。

Coloured blocks cutting autobiography into auto- (自分自身) + bio- (人生) + -graphy (書くこと) and transform into trans- (越えて) + form (形)

語源が通用しない単語もある

語源から推測する方法は便利ですが、万能ではありません。同じ綴りの接頭辞が、別の由来を持っていることもあります。たとえばEtymonlineは、un-を二つに分けて載せています。一つはunhappyの「〜ない」を表すun-、もう一つはundo(元に戻す)やunbutton(ボタンを外す)のように「元に戻す、取り除く」を表すun-です。unlockedという単語は、「鍵がかかっていない」とも「鍵を開けた」とも読めると説明されています。見た目が似ているからといって、必ず同じ語源や同じ意味を持つとは限りません。

また、綴りが長い年月の間に変わり、元の部品が見えにくくなっている単語もあります。推測はあくまで見当をつけるための手がかりであり、実際の意味は辞書や、実際に単語に出会う中で確認する必要があります。語源は覚える負担を減らすための入り口として使い、ゴールにはしないのが現実的です。

The prefix un- branching into unhappy (〜ない) and undo (元に戻す): the same spelling with two different origins, so word-origin guessing is an entry point, not the goal

覚えた接頭辞を日常の中で定着させる

接頭辞を覚えても、それを含む単語に出会わなければ、やがて忘れていきます。大切なのは、覚えた部品を含む単語に、日常の中で繰り返し出会うことです。Watch Your Languageは、iPhoneのロック画面・ホーム画面のウィジェットとApple Watchの文字盤のコンプリケーションに単語を表示し、スマート・レペティションのアルゴリズムで、覚えるまで同じ単語を繰り返し表示します。語彙パックはテーマとCEFRのレベル(A1からC2)で分かれているため、接頭辞に注目しながら単語を眺めていくと、パックをまたいで同じ部品が出てくることに気づけます。単語が覚えられない原因については英単語が覚えられない原因と対策、忙しい人向けの続け方は社会人の英単語の覚え方もあわせてご覧ください。

語源で覚える方法は、単語を一つ覚えるごとに、ほかの単語への見通しも少しずつ手に入るという点で、単語がばらばらのまま増えていく覚え方とは積み上がり方が違います。tele-やauto-のような部品を知っているだけで、初めて見る単語に出会ったときの心理的なハードルも下がります。まずは今回の八つの接頭辞から、身近な単語の中に探してみてください。

海辺で腕につけたApple Watch。文字盤に英語の単語と日本語訳が表示されている

Watch Your Languageは、iPhoneのロック画面・ホーム画面のウィジェットとApple Watchの文字盤のコンプリケーションに単語を表示し、スマート・レペティションのアルゴリズムで覚えるまで単語を繰り返し表示します。テーマとCEFRレベル別の語彙パックで学べるほか、Premiumでは手書きのメモの写真やCSV・Excelファイルから自分の単語を取り込めるので、語源に注目して集めた単語も学習に加えられます。

語源で単語をつなげて覚えると、 一つ覚えるたびに推測できる単語が増えていきます。

Watch Your LanguageiPhoneとApple Watchの単語ウィジェット

Watch Your Languageは、テーマとCEFRレベルで分かれた語彙パックの単語を、iPhoneのロック画面・ホーム画面のウィジェットとApple Watchの文字盤のコンプリケーションに表示し、覚えるまで繰り返し見せます。

Premiumでは、接頭辞や語根に注目して集めた単語を、手書きのメモの写真やCSV・Excelファイルから取り込めるので、自分だけの語源リストを育てていけます。

ほかの記事