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中国語の独学は発音から:漢字を知る日本人の始め方

中国語を独学で始める日本語話者向けに、最初の数週間でピンインと声調を固める理由、簡体字と日本語で意味が違う漢字語、テーマ別の単語を毎日目にする工夫を順に解説します。

The Great Wall of China under open sky, with a panel reading '最初に固める3つ' (three things to settle first) over three pills: ピンイン (pinyin), 声調 (tones), 簡体字 (simplified characters)

結論から言うと、日本語話者の中国語の独学は、最初の数週間をピンインと声調に使い、次に簡体字と「日本語と同じ漢字なのに意味が違う単語」を押さえ、そのうえでテーマ別の単語を毎日目にする仕組みを作る、という順番がおすすめです。漢字を知っている日本語話者は、意味の見当がつくぶん語彙の面では有利ですが、その有利さが発音の練習を後回しにさせる原因にもなります。最初に固めたいのは、ピンイン、声調、簡体字の3つです。

この記事では、スクールに通わず、仕事の合間や通勤時間で中国語を独学する社会人を想定して、日本語話者ならではのつまずき方と、その避け方を順に見ていきます。

要点

日本語話者がつまずく「読めた気になる」問題

中国語の文章を眺めると、日本語話者には意味の見当がつく漢字がたくさん並んでいます。これは英語やフランス語を学ぶときにはない大きな利点ですが、同時に落とし穴でもあります。漢字の意味だけを拾って文章を理解できた気になり、その単語を中国語でどう読むのかを確かめないまま先へ進んでしまうのです。その結果、文字を見れば分かるのに、音で聞くとまったく分からず、自分でも口に出せないという状態が続きます。

もう一つよくあるのが、参考書を最初から順番に完璧に終えようとして、文法の説明で立ち止まってしまうことです。中国語は動詞の活用や名詞の性がなく、文法の入り口は比較的なだらかです。時間をかけるべきなのは文法の暗記よりも、音と文字を結びつける練習のほうだと考えると、独学の配分を決めやすくなります。

Three numbered pitfalls beside the nerd mascot: mistaking hanzi meaning for having read the word, stalling on grammar explanations, and trying to finish a textbook perfectly

最初の数週間はピンインと声調に使う

ピンインは、中国語の発音をアルファベットで表す表記です。アルファベットを使っていても英語やローマ字の読み方とは違い、たとえば「谢谢(xièxie、ありがとう)」のxは「シ」に近い音、「七(qī、数字の7)」のqは「チ」に近い音を表します。ローマ字の感覚で読むと別の音になってしまうため、最初にピンインの表を音声つきで一通り確認しておくと、そのあとの単語学習がずっと楽になります。

ピンインの上に付く記号は声調を表します。同じ「ma」という綴りでも、妈(mā、母)、麻(má、麻・アサ)、马(mǎ、馬)、骂(mà、しかる)、吗(ma、疑問を表す助詞)は、それぞれ声調が違う別の単語です。声調は歌うような抑揚ではなく、一つの音節そのものの高さの変化だと捉えると練習しやすくなります。さらに、第3声が2つ続くと前の音節は第2声に近く発音されるという規則もあり、「你好(nǐ hǎo、こんにちは)」は実際には「ní hǎo」に近く聞こえます。表記と実際の音がずれるこうした規則は、文字で覚えるより、音声をまねて口に出すほうが身につきます。

Five Chinese words spelled 'ma' in pinyin, each with its hanzi, tone mark and Japanese meaning: 妈 (mā, mother/母), 麻 (má, hemp/麻・アサ), 马 (mǎ, horse/馬), 骂 (mà, to scold/しかる), 吗 (ma, question particle/疑問の助詞)

日本語と同じ漢字でも、形や意味が違う

中国大陸で使われる簡体字は、日本の漢字を簡略化した形とも違う独自の形をしています。「语(語)」はごんべん(言)が「讠」に変わり、「车(車)」や「纸(紙)」も形が大きく変わっています。最初は見慣れませんが、よく出てくる部首の変わり方を知っておくと、初めて見る字でも日本の漢字との対応に気づきやすくなります。

形以上に注意したいのが、日本語と同じ、あるいはよく似た漢字を使うのに意味が違う単語です。たとえば「手纸(shǒuzhǐ)」は手紙ではなくトイレットペーパー、「汽车(qìchē)」は汽車ではなく自動車を指します。また「语言(yǔyán、言語)」のように、意味は同じでも日本語の「言語」と漢字の順番が入れ替わっている単語もあります。日本語の知識は語彙を推測する助けになりますが、推測は必ず辞書や教材で確かめ、意味とピンインを一緒に覚えていく必要があります。

Three Chinese words written with kanji a Japanese reader knows: 手纸 (shǒuzhǐ) means toilet paper, not a letter; 汽车 (qìchē) means car, not a steam train; 语言 (yǔyán) means language, with the characters in the reverse order of 言語

単語はテーマ別に、毎日少しずつ

発音と文字の基礎が見えてきたら、語彙を増やす段階です。教材の単語リストを頭から覚えるより、あいさつ、数字と時間、家族、仕事、旅行といった、自分が実際に使う場面のテーマから選ぶほうが記憶に残りやすくなります。中国語は語順や語の組み合わせで意味が決まる部分が大きいため、単語を単独で覚えるより、短い例文の中で確認しておくと会話で使いやすくなります。

HSKなどの試験を目標にする場合は、その試験の公式情報が示す範囲を基準に、レベルに合った単語から選んでいくとよいでしょう。覚えた単語は一度で定着するものではないので、覚えたばかりの単語は短い間隔で、慣れてきた単語は間隔を空けて見直すのが基本です。まとまった勉強時間を新しく作るより、すきま時間に単語を目にする回数を増やすほうが、社会人には続けやすい方法です。単語アプリの比較は「中国語の単語アプリ比較」で取り上げています。

画面を見るたびに中国語の単語に出会う

Watch Your Languageは中国語の学習にも対応しています。iPhoneのロック画面・ホーム画面のウィジェットや、Apple Watchの文字盤のコンプリケーションに単語を自動で表示するので、時刻や通知を確認するたびに中国語の単語が目に入ります。ローマ字表記の設定をオンにすると、単語の下に訳の代わりにピンイン(声調記号なし)が表示されます。漢字を見て読み方を思い出す練習に使い、声調は教材の音声で確認する、という組み合わせがおすすめです。単語パックはテーマとCEFRのレベル(A1からC2)で分かれているため、あいさつや日常の基本語から始められます。Premiumでは、教材の単語リストの取り込みや、手書きのノートを撮影して単語を読み取ることもできます。Apple Watchで単語を表示する仕組みはApple Watchの単語帳アプリの紹介ページにまとめています。

ベッドで腕につけたApple Watch。文字盤に中国語の単語と日本語訳が表示されている

Watch Your Languageは、中国語の単語をテーマとCEFRレベル別のパックで提供し、iPhoneのウィジェットとApple Watchの文字盤に自動で表示します。訳の代わりにピンインを表示する設定もあり、スマート・レペティションの仕組みが、覚えるまで同じ単語を繰り返し見せます。

まとめ:今日やること

中国語の独学は、漢字を知っている日本語話者にとって有利な点の多い挑戦です。ただし、その有利さに頼って発音を後回しにすると、読めるのに聞き取れず話せない状態から抜け出しにくくなります。最初の数週間はピンインと声調に使い、簡体字と意味の違う漢字語に注意しながら、テーマ別の単語を毎日少しずつ目にする。この順番を守れば、参考書を一冊完璧に終えることを目標にしなくても、独学は前に進みます。まずは「谢谢(xièxie)」を音声に合わせて声に出してみるところから始めてください。文字と発音の両方に新しい決まりがある言語の独学は「韓国語の独学、何から始めるか」でも取り上げています。Watch Your Languageの機能全体はホームで紹介しています。

漢字は読めても、 読み方は毎日の積み重ね

Watch Your LanguageiPhoneとApple Watchの単語ウィジェット

Watch Your Languageは、iPhoneのウィジェットやApple Watchの文字盤に中国語の単語を自動で表示します。ローマ字表記の設定をオンにすると、単語の下に訳の代わりにピンイン(声調記号なし)が表示され、漢字を見て読み方を思い出す練習になります。

単語パックはテーマとCEFRのレベル(A1からC2)で分かれていて、あいさつや日常の基本語から選べます。スマート・レペティションの仕組みが、覚えるまで同じ単語を繰り返し表示します。

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